なぜ、あの店のコーヒー豆は愛されるのか
店に入るやいなや、目に飛び込んでくるのは生豆のディスプレイ。これは欠陥豆を取り除く作業“ハンドピック”を3回くぐり抜けた豆で、カフェ利用でもテイクアウトでも、注文を受けてからローストする新鮮さにこだわっている。焙煎後もさらにハンドピック。「未成熟、虫、乾燥など、欠陥豆もいろいろ。それを焙煎すると欠点の種類によっても味が違います。それくらい影響を与えるんです」と、店主の井上研史さん。
世界60カ国以上を旅してコーヒーを好きになり、むさぼるように読み漁った本で知った『カフェ・バッハ』の店主・田口護さんの下で、ハンドピックの技術を取得。入念な豆の選別を重ねる丁寧な仕事ぶりは、店がオープンして5年で東京まで知れわたった。こだわりのものだけが並ぶ、東京で絶大な人気を得ている食のコンセプトショップ『マイスタヴェルクフーズ』のオリジナルブレンドも任されている。